抄読会2015年度 season3

2015年12月25日 担当 中野
Anesthesiology 123(6), December 2015, 1312–1321.
Perioperative Mortality, 2010 to 2014: A Retrospective Cohort Study Using the National Anesthesia Clinical Outcomes Registry Whitlock.
Elizabeth L.M.D., M.Sc.; Feiner, John R. M.D.; Chen, Lee-lynn M.D.
 
The National Anesthesia Clinical Outcomes Registryが、専門科に関わらず安全性と正確性を向上させるため、統計学的な、麻酔症例のアウトカムを集積した。2,866,141症例が解析の対象となり、 944 例が死亡した。 (死亡率33/100,000) ASAPSが高いこと、緊急症例であること、4:00 PM~ 6:59 AMの間に始まった症例であること、患者の年齢が <1歳または>65歳であることが、独立して周術期死亡率上昇に関連していた。



2015年12月11日 担当 最上
Anesth Analg. 2015 Aug;121(2):525-31.
The Effects of Blood Glucose Concentration on the Shivering Threshold in Rabbits.
Ino H, Masamune T, Sato H, Okuyama K, Wada K, Iwashita H, Ishiyama T, Oguchi T, Sessler DI, Matsukawa T.
 
ウサギをイソフルランで麻酔し、無作為に、(1)生理食塩水の注入、(2)インスリンを投与し血糖60〜100mg / dLにする(3)50%のブドウ糖を投与し血糖200〜300mg/ dLにする  群にふりわけて冷却し、シバリング発症時の中枢温閾値を調べたところ、生理食塩水を投与されたウサギは37.2±0.5℃(平均±SD)で、インスリン与えられたウサギは36.3±1.1℃、ブドウ糖を与えられたウサギは38.0±0.6℃でシバリングが起きた。シバリング閾値は、血中グルコース濃度の関数として増加した。低血糖がウサギのシバリング閾値を下げ、高血糖は閾値を上昇させたといえる。


2015年12月10日 担当 吉田
Anesth Analg. 2015 ;121:1001-1010.
Preparing Parents to Be Present for Their Child’s Anesthesia Induction: A Randomized Controlled Trial.
Bailey, Bird, McGrath, et al.
 
ビデオ映像を基本とした、両親に対する子供の麻酔導入に対する説明は、子供の周術期の不安を軽減する結果とはならなかった。一方で、両親も含めた周術期の不安度については、明らかではない。今後は、子供の周術期における親の行動が、子供の不安軽減に影響するかといった調査が望まれる。


2015年12月3日 担当 中野

Psychiatric Disorders and Psychopharmacologic Treatment as Risk Factors in Elective Fast-track Total Hip and Knee Arthroplasty.
SJørgensen, Christoffer C. M.D.; Knop, Joachim D.M.Sci.; Nordentoft, Merete D.M.Sci.; Kehlet, Henrik Ph.D.; on behalf of the Lundbeck Foundation Centre for Fast-track Hip and Knee Replacement Collaborative Group.
 
精神科的な薬物治療を行われているPsDは、薬剤の種類にかかわらず、早期退院の関節形成術後の罹病率上昇のリスク因子である。
これはPsDそれ自体と、薬物の副作用によると考えられる。




2015年12月2日 担当 野地
Anesthesiology. 2015 Nov;123(5):1033-41.
Ultrasound Improves Cricothyrotomy Success in Cadavers with Poorly Defined Neck Anatomy: A Randomized Control Trial.
Siddiqui N1, Arzola C, Friedman Z, Guerina L, You-Ten KE.
 
頚部の解剖が同定しにくい人間の死体において、超音波を使用すると合併症の率は減少し、輪状甲状靭帯切開の成功率が上昇する。



2015年11月20日 担当 吉田
Anesth Analg. 2015 ;121:348-56.
A Comparison of Differences Between the Systemic Pharmacokinetics of Levobupivacaine and Ropivacaine During Continuous Epidural Infusion: A Prospective, Randomized, Multicenter, Double-Blind Controlled Trial.
Perotti L, Cusato M, Ingelmo P. ,et al.
 
CVを考慮すると、成人の胸部硬膜外持続投与では、レボブピバカインとロピバカインの血中濃度のばらつきには差を認めなかった。この研究では、ロピバカインのクリアランスが高齢者では減少することが明らかになったが、いくつかの制限がある。48時間の持続投与では血中濃度は定常状態にはならず、48時間以上の調査が必要である。2つの薬剤は、臨床的な効果や副作用の差は認めなかった。


2015年11月19日 担当 最上
Anesth Analg. 2015 Jul;121(1):117-23.

The incidence of perioperative hypersensitivity reactions : a single-center, prospective, cohort study.
Berroa F1, Lafuente A, Javaloyes G, Cabrera-Freitag P, de la Borbolla JM, Moncada R, Goikoetxea MJ, Sanz ML, Ferrer M, Gastaminza G.
 
30ヶ月の期間(2008年2月~2010年10月)での全身麻酔中に臨床過敏反応の発生を調べたところ、16,946例中44症例で過敏反応が記録され、その割合は、1/385となった。
15症例(15/30; 50%)がIgE関連であることが判明し、軽症の発赤のみの10症例のうち4症例もIgE関連反応であった。
皮膚症状のみの軽度過敏症においてもIgEが関与している可能性があるため、評価を行うべきであると言える。




2015年11月18日 担当 井石
Anesth Analg. 2015 Nov;121(5):1231-9.

Intraoperative Lung-Protective Ventilation Trends and Practice Patterns: A Report from the Multicenter Perioperative Outcomes Group.
Bender SP.
 
術中の肺保護換気~少なめの一回換気量、PEEPの付与はより広く行われるようになっている。
減少はしているものの、特に肥満、低身長、女性患者ではTV>10ml/kg PBWでの管理例が見受けられる。PEEPの使用は着実に広まっている。術中の換気様式を最適化するために、肺保護戦略に関して共通の認識を喚起し、実践していく必要がある。


2015年11月12日 担当 中野
Anesthesiology. 2015 Nov;123(5):1067-83.
Altered Mitochondrial Dynamics Contributes to Propofol-induced Cell Death in Human Stem Cell-derived Neurons.
Twaroski DM1, Yan Y, Zaja I, Clark E, Bosnjak ZJ, Bai X.
 
ヒト胚幹細胞由来の神経細胞を用いて、propofolによる神経毒性がミトコンドリアの分裂、mPTP調節性の経路で起こることを初めて示した。


2015年10月9日 担当 吉田
Br J Anaesth. 22015, 1-8.
Evaluation of an intervention to reduce tidal volumes in ventilated ICU patients
C. P. Bourdeaux, K. Birnie, A. Trickey ,et al.
 
データの出力方法を変え、リアルタイムの表示とアラームを用いることで、一回換気量を減らすことにつながった。情報のフォーマットを結果につながるように構成することで、エビデンスを実践的にすることができる。


2015年10月7日 担当 最上
Br J Anaesth. 2015 Aug;115(2):285-93. doi: 10.1093/bja/aev217.
Pregabalin and pain after total knee arthroplasty: a double-blind, randomized, placebo-controlled, multidose trial. 
PYaDeau JT1, Lin Y2, Mayman DJ3, Goytizolo EA2, Alexiades MM3, Padgett DE3, Kahn RL2, Jules-Elysee KM2, Ranawat AS3, Bhagat DD2, Fields KG4, Goon AK2, Curren J2, Westrich GH3.
 
TKA手術を行う患者に術前日よりプレガバリン0、50、100、または150mgを投与した場合、プレガバリンは2週間後の安静時、歩行時、屈曲時の痛みを軽減しなかった。錯乱は増加しなかったが、POD1の眠気は増加し、2週間後の患者満足度を減少させた。
本研究では、人工膝関節全置換術患者に対するルーチン周術期のプレガバリン投与は支持されなかった。



2015年10月2日 担当 野地
Anesthesiology. 2015 Oct;123(4):765-74.
Influence of Ventilation Strategies and Anesthetic Techniques on Regional Cerebral Oximetry in the Beach Chair Position. 
Picton P1, Dering A, Alexander A, Neff M, Miller BS, Shanks A, Housey M, Mashour GA.
 
ビーチチェア体位をとる全身麻酔患者において、FIO2とETCO2を上昇させることが 酸素飽和度低下に打ち勝つだけのrSO2の上昇に影響しており、麻酔薬の選択には依存しないと示唆される。


2015年10月1日 担当 中野
Anesthesiology. 2015 Oct;123(4):775-785.
Concurrence of Intraoperative Hypotension, Low Minimum Alveolar Concentration, and Low Bispectral Index Is Associated with Postoperative Death. 

Willingham MD, Karren E, Shanks AM, O'Connor MF, Jacobsohn E, Kheterpal S, Avidan MS.
 
術中の平均動脈圧低下(75 mmHg未満)、最少肺胞濃度0.8未満、BIS45未満の発生は“triple low” とされる。triple
lowと術後の死亡率は、弱いが独立した相関を示した。傾向スコアを用いた解析で、死亡率の増加は共存症の付帯兆候ではないことが示された。