抄読会 2013年度 season 1

2013年6月28日 担当 井石
Critical Care Medicine:July 2013 - Volume 41 - Issue 7 - p 1637-1644
Comparison of Sleep Quality With Mechanical Versus Spontaneous Ventilation During Weaning of Critically Ill Tracheostomized Patients*
Roche-Campo, Ferran MD1–3; Thille, Arnaud W. MD1,2,4; Drouot, Xavier MD5,6
長期人工呼吸中で、呼吸器から離脱可能な患者の、人工呼吸が睡眠の量、質に与える影響を評価した。気切中の患者において、人工呼吸器の有無は睡眠の質には影響しないようであったが睡眠時間は人工呼吸がある方が長かった。Weaningに時間がかかり、気切された患者において、夜間のみ呼吸器に再接続することで、よりよく眠れるようになる可能性がある。

 
 
2013年6月27日 担当 中野
Critical Care Medicine 41(7) pgs. 1597-1830,e105-e148 July 2013
Do Windows or Natural Views Affect Outcomes or Costs Among Patients in ICUs?
Kohn, Rachel MD 1; Harhay, Michael O. MPH, MBE 2,3; Cooney, Elizabeth MPH2,3; Small, Dylan S. PhD 4; Halpern, Scott D. MD, PhD 2,3,5,6

ICUの部屋の窓や自然の風景は、内科、外科ICUとも予後やコストの削減に関連しなかった。


(:_;)すこしがっかりです。



2013年6月26日 担当 森本
Crit Care Med. 2013 Jul;41(7):1774-81.
Does the central venous pressure predict fluid responsiveness? An updated
meta-analysis and a plea for some common sense*.

Marik PE, Cavallazzi R.
 
輸液療法を行う際にCVPを利用することは根拠がない。




2013年6月25日 担当 今泉
Crit Care Med. 2013 Jul;41(7):1599-607.
Sodium Bicarbonate Infusion to Reduce Cardiac Surgery-Associated Acute Kidney Injury: A Phase II Multicenter Double-Blind Randomized Controlled Trial*.
McGuinness SP, Parke RL, Bellomo R, Van Haren FM, Bailey M.

 周術期の重炭酸ナトリウム点滴による血液および尿のアルカリ化は心臓手術後のAKIの発症を減少させない。

(゜o゜)あまり聞いたことがない話題で、みなさん驚いていました。重炭酸ナトリウムの腎保護作用に関する論文は以前にもでているようですが、やはりあまり効果がなかったそうです。




2013年6月24日 担当 細野
Crit Care Med. 2012 Jun;40(6):1808-13.
Neuromuscular blocking agent administration for emergent tracheal intubation is associated with decreased prevalence of procedure-related complications.
Wilcox SR, Bittner EA, Elmer J, Seigel TA, Nguyen NT, Dhillon A, Eikermann M, Schmidt U.
 
挿管の技術に習熟した人が手術室以外の場所で緊急挿管を行う場合、神経筋遮断薬の使用により挿管手技による合併症を減らすことができる。


(^_^)うまくいかなかった場合の準備がしてあるのであれば、病棟で挿管するときも、筋弛緩薬を使用したほうが良いようですね。



2013年6月20日 担当 最上
Anesthesiology 2013 May 28 (publish ahead of print)

Effect of Volatile Anesthetic Choice on Hospital Lngth-of-stay *: A Retrospective Study and a Prospective Trial.
Kopyeva T, Sessler DI, Weiss S, Dalton JE, Mascha EJ, Lee JH, Kiran RP, Udeh B, Kurz A.

吸入麻酔薬の選択で入院期間が遷延するという仮説について、セボフルラン・イソフルラン・デスフルランの後ろ向き研究でpropensity matchingを用いたところ、イソフルランの使用で入院期間が長くなったが、セボフルランとイソフルランを用いた前向き研究では有意差が得られなかった。

(+_+)そもそも、年々入院期間は短縮傾向ですので、当然の結果なのかもしれません。



2013年6月18日 担当 當重
Anesthesiology 2013; 00-00 (publish ahead of print)

Effect of Hemorrhage and Hypotension on Transcranial Motor-evoked Potentials in Swine
Jeremy A. Lieberman, M.D. et al.


ブタを用いて大量出血とその後の昇圧剤・補液がtranscranial motor evoked
potentials(TcMEPs)に及ぼす影響を検討した。出血で減少したTcMEPs, MAP, CO,
DO2は、epinephrineの使用で改善した。phenylephrineではMAPのみ改善し,TcMEPsは変化しなかった。TcMEPsの変化はCOと関連しており、COモニタリングが有効かもしれない。


(-"-)エピネフリンそのものがMEPを改善しているのかもしれないし、もしかすると、プロポフォールの薬物動態が関係しているのかもしれません。解釈が難しいですね。



2013年6月17日 担当 小原
BMC Anesthesiol. 2013 Apr 21;13(1):8.
Evaluation of propofol anesthesia in morbidly obese children and adolescents.

Chidambaran V, Sadhasivam S, Diepstraten J, Esslinger H, Cox S, Schnell BM, Samuels P, Inge T, Vinks AA, Knibbe CA.

(背景)病的肥満児のプロポのPKPDはよく分かっていない。TIVAで評価した。
(方法)20人の病的肥満児を前向き調査。麻酔は臨床徴候を参考にtitrateするTIVAで行った。観察項目はプロポの量、循環動態、導入・覚醒時間、術後呼吸合併症、術中の(麻酔科医のはブラインドされた)BIS、術後のRamsay
score。プロポの血中濃度を事前に決めたタイミングで測定した。
(結果)9-18歳、BMI for age
percentile;肥満を年齢相応BMIの95パーセンタイル以上、病的肥満を99パーセンタイル以上としたは97-99.9%。循環変動はベースラインの20%以内だった。BISは90%以上の時間で40未満に保たれていた。覚醒遅延(25.8±22min)、覚醒30分以内の眠気の増大(Ramsay
score>=4)、そして30%に術後呼吸合併症が起こり、BMIが1増えるごとにodds
ratioが14%増えた。維持中のプロポの平均血中濃度は6.2 mcg/mLで、覚醒時は1.8 mcg/mLであった。
(結論)この患者群ではプロポフォールの必要量は過大評価されており、臨床徴候をみながらtitrationを行うことは困難である。正確に体重補正したレジメができるまでは、BISを指標にするのがよいであろう。




2013年6月14日 担当 大石
Anesth Analg. 2013 Jun;116(6):1376-9.

Color flow doppler ultrasonography can distinguish caudal epidural injection from intrathecal injection.
Ban Tsui, et al.

小児にエコーでcolor flow dopplerを用いたところ、薬が硬膜外に入ったのか、くも膜下に入ったのか、区別することができた。(硬膜外に投与すると乱流が観察できる。くも膜下投与のときは、なにも見えない。)


(゜o゜)薬液そのものは超音波を反射しないので、カラーはのりません。硬膜外のような狭いスペースを押し広げるときに、組織との関係で乱流が見えるのですね。



2013年6月13日 担当 細野
Anesth Analg. 2013 Jun;116(6):1257-64.
The protective effects of volatile anesthestics against the bronchoconstriction induced by an allergic reaction in sensitized rabbit pups.
Lele E, Petak F, Carnesecchi S, Virag K, Argiroffo CB, Habre W.

アナフィラキシー反応による重度の気道収縮を、揮発性麻酔薬が阻害しうる。揮発性麻酔薬、特にセボフルランの吸入は気管支痙攣の早期の改善を促すため、アトピー型の肺疾患のある小児に有効かもしれない。

(@_@)この論文によれば、1MACで効果があったようです。ほかの論文では、デスフルランは他の吸入麻酔薬より気管支拡張作用が強かったと報告しているのもあるようです。




2013年6月12日 担当 高橋
Anesth Analg. 2013 Jun;116(6):1238-46.
Perioperative Smoking Behavior of Chinese Surgical Patients
Chunhua Yu, Yu Shi, Sandeed Kadimpati,Yu Sheng,Jin Jin


一般的に、手術は禁煙のための強力な教育的契機であり、自発的な禁煙率を増加させる。中国は高い喫煙率と一致して、禁煙にほとんど興味がないといわれているが、手術が、禁煙のための強力な教育的契機として役立たせうることが示唆された。




2013年6月11日 担当 本田

Anesth Analg 2013;116:1380-85
Perioperative and Obstetric Epidural Catheterization:A Report from the
Multicenter Perioperative Outcomes Group Research Consortium

Brian T.Bateman,MD, Jill M.Mhyre,MD, Jesse Ehrenfeld,MD,MPH, et al.

周術期の鎮痛目的の硬膜外カテーテル留置と比較し、無痛分娩目的の硬膜外カテーテル留置では硬膜外血腫の発生率が明らかに低かった。


(--〆)過凝固に傾くから、起きにくいということなのだそうです。



2013年6月7日 担当 森本
Crit Care Med. 2013 Jun;41(6):1435-1442.
Reducing Deep Sedation and Delirium in Acute Lung Injury Patients: A Quality
Improvement Project*

Hager DN, Dinglas VD, Sunhans S, et al.

quality Improvement process (Richmondの興奮鎮静スケールスコアで0点を目標)を使用することにより、ALI患者は重篤な状態であったり人工呼吸の状態であっても、鎮静剤の使用量を大きく減少させ、せん妄状態にならずに日中は覚醒していることができた。

(・。・)当院でも使用する症例を増やしています。でも、10秒間目を合わせ続けるのって、けっこう難しいですよね。



2013年6月6日 担当 井石
Crit Care Med. 2013 Jun;41(6):1450-1457
Utilization Patterns and Outcomes Associated With Central Venous Catheter in Septic Shock: A Population-Based Study
Walkey AJ, Wiener RS, Lindenauer PK.

敗血症患者への早期CV留置は1998年から3倍になった。エビデンスに基づいた指針によるCV留置によって敗血症患者の死亡率は低下した。


(^_^)CVを留置して、早期からSCVO2を適切に管理できるようになって、死亡率が低下したということでしょうか。



2013年6月5日 担当 中野
Crit Care Med. 2013 Jun;41(6):1443-9.
Maximal chemiluminescent intensity in response to lipopolysaccharideassessed by
endotoxin activity assay on admission day predicts mortality in patients
with sepsis.

Kiguchi T, Nakamori Y, Yamakawa K, Kitayama J, Wada D, Ogawa Y, Ogura H, Kuwagata Y, Shimazu T, Hamasaki T, Fujimi S.

入院当日のlipopolysaccharide最大化学発光強度は、敗血症患者の死亡率予測に有用である。



2013年6月4日 担当 今泉
Crit Care Med. June 2013-Volume41-Issue 6-p1543-1554
Physical Therapy for the Critically Ill in the ICU: A Systematic Review and Meta-Analysis*
Kayambu, Geetha; Boots, Robert; Paratz, Jennifer.

ICUで理学療法を行うと、QOL、運動機能、末梢および呼吸筋の筋力を改善し、人工呼吸器を必要としない日数が増え、入院およびICU滞在日数を減少させる。

(._.)理学療法の効果は明らかです。これ以上の研究をするのは、倫理的に難しいでしょう。



2013年6月3日 担当 本田
Circulation Journal 2012;76:1097-1101
Landiolol,an Ultra-short-Acting β1-blocker,More Effectively Terminates Atrial Fibrillation Than Diltiazem After Open Heart Surgery
-Prospective,Multicenter,Randomized,Open-Label Study(JL-KNIGHT Study)

Atsuhiro Sakamoto,MD,PhD;Masafumi Kitakaze,MD,PhD;Shinichi
Takamoto,MD,PhD;Akiyoshi Namiki,MD,PhD;Hiroshi Kasanuki,MD,PhD;Saichi Hosoda,MD,PhD;JL-KNIGHT study group


開心術後心房細動患者においてランジオロールはジルチアゼムより効果的で、なおかつ低血圧、除脈、心房細動の再発などの合併も少ない。

(‘∀‘)ランジオロールに関しては、いろいろな研究が行われています。これから行われる治験もあるみたいです。



2013年5月31日 担当 堀
Anesthesiology.2013;118:1106-12

Magnetic Resonance Imaging Analysis of the Spread of Local Anesthetic Solution after Ultrasound-guided Lateral Thoracic Paravertebral Blockade

Marhofer D, Marhofer P, Kettner SC, et al.

超音波ガイド下傍脊椎ブロックを行った際の局所麻酔薬の広がりをMRIで調べたところ、再現性はあったが、実際の麻酔効果範囲は予測不能であった




2013年5月30日 担当 最上
Anesthesiology.2013 May 15

Effect of Perioperative Intravenous Lidocaine Administration on Pain, Opioid Consumption, and Quality of Life after Complex Spine Surgery.
Farag E, Ghobrial M, Sessler DI, Dalton JE, Liu J, Lee JH, Zaky S, Benzel E, Bingaman W, Kurz A.

脊椎手術における周術期のリドカイン持続静注は、術後疼痛を減らし、1か月後、3か月後のQOLを改善する。

(・_・)周術期のリドカイン持続静注の効果に関する報告は、肯定的なものと否定的なものとがあるようです。作用機序についても十分には解明されておらず、さらなる研究が期待されています。



2013年5月28日 担当 當重
Anesthesiology 2013; 118: 1059-64
Retrograde Light-guided Laryngoscgopy for Tracheal Intubation-clinical
practice and comparison with conventional direct laryngoscopy

Tao Yang et al.

初学者が喉頭鏡で喉頭展開を行う際、逆行性光ガイド下(Retrograde light-guided
laryngoscopy)に行うと、通常の方法と比べて所要時間が短縮し、気管挿管成功率が向上する。この方法は初学者にとって有用な方法である。


(゜o゜)輪状甲状間膜あたりにライトをあてて、光をたよりに喉頭展開を行うようです。確かに初心者は迷子になりやすいですよね。挿管困難な場合に試してみるのもいいかもしれません。



2013年5月17日 担当 本田
Anesthesia-Analgesia 2013;116:1041-47
The Impact of Postoperative Nausea and Vomiting Prophylaxis with Dexamethasone on Post operative Wound Complications in Patients Undergoing Laparotomy for Endometrial Cancer
Corey S.Bolac,Md Amy H.wallace,MD,Gloria Broadwater, MS, Laura
J.Havrilesky,MD,MHSc, and Ashraf S.Habib,MB,MCh,MSc,MHSc,FRCA


PONVの予防のための術中デキサメサゾン投与は子宮内膜癌で腹腔鏡下手術を受けた女性の術後創部感染の発生率や重症度を増加させなかった。




2013年5月17日 担当 本田
Anesthesia-Analgesia 2013;116:1116-22

The Hyperglycemic Response to Major Noncardiac Surgery and the Added
Effect of Steroid Administration in Patients With and Without Diabetes

Basem B.Abdelmalak,MD,Angela M.Bonilla,MD,Dongsheng Yang,MS,Hyndhavi
T.Chowdary,MD,Alexandru Gottlieb,MD,Sean P.Lyden,MD,and Daniel I.Sessler,MD

低用量ステロイドを使用した術中の血糖値の上昇は術操作によるストレス反応と同様であり、高血糖反応を恐れてPONVの予防に術中ステロイドを使用することを否定するのは、再考されるべきである。





2013年5月16日 担当 菅波
Anesthesia and Analgesia.2013;116:1087–92

The VeinViewer Vascular Imaging System Worsens First-Attempt Cannulation Rate for Experienced Nurses in Infants and Children with Anticipated Difficult Intravenous Acces
Peter Szmuk, Jeffrey Steiner, Radu B. Pop, Alan Farrow-Gillespie, Edward J. Mascha, Daniel I.

静脈路確保困難が予想された小児に対して、熟練看護師がVeinViewerを用いて静脈路確保を行ったところ初回成功率は低下した。また、肥満の程度によって成功率は下がらなかった。


(-_-)みなさんうすうす気づかれていたかもしれませんが。
影ができたり、実際より太く見えたりすることによって、難易度が上がってしまうようです



2013年5月15日 担当 細野
Anesth Analg. 2013 May;116(5):1093-102
Regional Scalp Block for Postcraniotomy Analgesia :
A Systematic Review and Meta-Analysis

Guilfoyle MR, Helmy A, Duane D, Hutchinson PJ

報告されているRSBの研究の規模が小さく、方法にも制限はあったが、メタ分析では、一貫して術後痛の軽減が示された。開頭術を行う患者におけるRSBの使用は有効といえる。


(^_^)開頭術では、もっと積極的にブロックを行いたいですね。




2013年5月14日 担当 大石
Anesth Analg. 2013 May;116(5):975-8
Decreased Erythrocyte Deformability After Transfusion and the Effects of Erythrocyte Storage Duration
Steven M. Frank, MD, Bagrat Abazyan, MD, Masahiro Ono, MD, et al.

赤血球の保存期間が長くなると、赤血球の細胞膜の変形能(Elongation Index)は減少していた。この変化は、輸血をした後ももとに戻らなかった




2013年5月13日 担当 菅波
Anesthesiology 2013; 118:842-52

Limb Remote Ischemic Preconditioning for Intestinal and Pulmonary Protection during Elective Open Infrarenal Abdominal Aortic Aneurysm Repair A Randomized Controlled Trial
Cai Li, Yun-Sheng Li, Miao Xu,Shi-Hong Wen, Xi Yao,
Yan Wu,Chan-Yan Huang,Wen-Qi Huang, Ke-Xuan Liu et al


対象臓器と離れた部位の虚血負荷でprecinditioning効果が得られることをremote inchemia preconditioning(RIPC)とよぶ。腎動脈分岐以下の腹部大動脈瘤切除術を待機的にうけた62名で、麻酔導入後に左前腕に血圧測定用マンシェットを用いて200mmHgで5分間駆血、その後5分間解除というサイクルを3回行い、術中から術後にかけての肺障害と腸管障害について調査した。前腕虚血を行った群で、有意に肺障害は軽微であり、腸管障害の血中マーカーは低値であった。RIPCの効果が示されたが、さらなる検討が必要である。

(^_^)みんな非常に興味深く聞いていました。




2013年5月10日 担当 森本
Critical Care Medicine May;41(5):1214-1220.

Renal Perfusion Assessment by Renal Doppler During Fluid Challenge in Sepsis.
Schnell D, Camous L, Guyomarc'h S, Duranteau J, Canet E, Gery P, Dumenil AS, Zeni F, Azoulay E, Darmon M.

輸液負荷によりもたらされる全身血行動態の変化は、患者の急性腎障害の有無にかかわらず、RI(腎血管抵抗)の変化には関連していない。

(@_@)RIはあまり聞きなれない言葉ですが、腎の分野では信頼性がある指標のようです。



2013年5月9日 担当 中野
Critical Care Medicine 2013 May. Volume 41(5),p 1229-1236
Mortality After Hospital Discharge in ICU Patients
Brinkman, Sylvia MSc1; de Jonge, Evert MD, PhD2; et al

オランダの81施設、ICU入室患者(n = 91,203)を対象に、 退院後の死亡率を一般的な国民と比較した。 殆どのICU患者は、退院後一般的なオランダ国民より死亡率が高いが、サブグループ間で大きく異なる。



2013年5月8日 担当 井石
Crit Care Med. 2013 May;41(5):1205-13
Fast-track failure after cardiac surgery: external model validation and implications to ICU bed utilization.Lee A, Zhu F, Underwood MJ, Gomersall CD.

最新のfast track failure modelを用いることで、個々の患者のfast track failureの予測を立てることができる。臨床上のこのモデルの利点としては、効果的なICUベッド運用を行えるということと考えられる。



2013年5月7日 担当 今泉
Crit Care Med. 2013 May;41(5):1258-65.

Continuous Administration of Enteral Lipid- and Protein-Rich Nutrition Limits Inflammation in a Human Endotoxemia Model
Lubbers, Tim; Kox, Matthijs; de Haan, Jacco-Juri; Greve, Jan Willem; Pompe, Jan C.; Ramakers, Bart P.; Pickkers, Peter; Buurman, Wim A.

持続経腸栄養は迅速な抗炎症反応をおこし、さらに脂質およびタンパク質を豊富に含む栄養は抗炎症能を強化する。脂質・タンパク質栄養の持続経腸投与はヒトの全身性炎症の早期過程において免疫反応を調整する有望な手段となる。



2013年4月26日 担当 花山
Anesthesiology May 2013; 118(5) 1170-9

Predicting Acute Pain after Cesarean Delivery Using Three Simple Questions.
Pan PH, Tonidandel AM, Aschenbrenner CA, Houle TT, Harris LC, Eisenach JC.

術後疼痛には個人差があり管理が難しいが、待機的に帝王切開を受ける患者に
簡単な3つの質問を行うことで術後の急性疼痛の強度をある程度予測することができた。


(゜o゜)術前に患者さんの意識を変えることが、術後の痛みの軽減につながったりして・・・



2013年4月25日 担当 堀
Anesthesiology 2013;118:00-00

Protective Mechanical Ventilation during General Anesthesia for Open Abdominal Surgery Improves Postoperative Pulmonary Function

2時間以上の定時開腹手術中に肺保護的人工呼吸を行うと、肺機能を改善させる効果があるが、在院期間には影響がない。
 



2013年4月23日 担当 當重
Anesthesiology 2013; 118: 00-00
Development and validation of a score for prediction of postoperative
respiratory complications

Britta Brueckmann, M.D., Jose l. Villa-Uribe, B.S., Brian T. Bateman,M.D., Martina grosse-Sundrup, M.D., Dean R. hess, Ph.D., Christopherl. Schlett, M.D., M.P.h., Matthias Eikermann, M.D., Ph.D.

術後急性期の再挿管を予測するスコアを立案した。ASAPS≥3(3点), 緊急手術(3点)、ハイリスク手術(Vascular,Transplant, Thoracic, Neuro, General, Burn)(2点)、心不全の既往(2点)、肺疾患の既往(1点)が予測因子であった。スコアが1点増えるとリスクは1.7倍になる。


(・o・)この項目だと、我々が再挿管の予防に介入することはできないけれど、このような患者さんにはやめにCPAP装着するなどの対応ができるかもしれませんね




2013年4月19日 担当 本田
Anesthesia-analgesia  April 2013;116:829-35
Ultrasound Estimates for Midline Epidural Punctures in the Obese Parturient:Paramedian Sagittal Oblique is Comparable to Transverse Median Plane
Jagpaul S.Sahota,MD, Jose C.A.Carvalho,MD,PhD, Mrinalini Balki,MD,
Niall Fanning,MD,and Cristian Arzola,MD,MSc


肥満妊婦に正中法で硬膜外麻酔を行う際、2種類のエコープローブの当て方(Paramedian Sagittal ObliqueTransverse Median Plane)のいずれがより有効か検証した。結果は硬膜外腔までの距離を測るにはどちらも差はなかったが、Paramedian Sagittal Oblique法の方がきれいなエコー画像が得られた




2013年4月18日 担当 菅波
ANESTHESIA & ANALGESIA April 2013.vol 116,No.4:862-868
A Comparison of Two Doses of Mannitol on Brain Relaxation During SupratentorialBrain Tumor Craniotomy:A Randamized Trial 
Charlotte Quentin,Sonia Charbonneau,Robert Moumdjian,Alexander Lallo,Alain Bouthilier,Marei-Pierre Fournier-Gosselin,Michel Bojanowski,Monique Rauel,Marie-Pierre Sylvestre,and Francois Girard 

脳外科手術時に使用する20%マンニトールの適正量について検討したところ、0.7g/kgの量で良好な視野を得られた。(これは50kgの人で約150mlのマンニトールに相当する)




2013年4月16日 担当 大石
Anesthesia & Analgesia  2013 April; 116 (4) 794-803
Local Toxicity
 from Local Anesthetic Polymeric Microparticles
J. Brian et al   

ラットに坐骨神経ブロックを行い、マイクロカプセル化された局所麻酔薬を投与した。リドカインとブピバカイン(ともに50%)は同程度に筋毒性を認め、筋肉や神経の近くに投与するには、両者とも注意が必要であると考えられた。 

(^.^)局所麻酔薬がカプセル化されることによって作用時間が延長することはすでに示されています。
(-"-)カプセル化されていない局所麻酔薬との、筋毒性の比較はどうなのでしょうか。




2013年4月15日 担当 今泉
Anesthesia & Analgesia 2011 Nov; 113 (5) 1069-75

Hemodynamic Perturbarions During Robot-Assisted Laparoscopic Radical Prostatectomy in 45° Trendelenburg Position
Melinda Lestar, MD, et al  


 
ロボット支援下の前立腺手術(45°trenderenburg位)における血行動態の変化を調べた。CVPは3倍、PAP, PCWPは2倍に、ABPは35%上昇した。ASA1-2の患者では、心機能に影響を与えない。

(';')最近、当院でもダヴィンチ手術が始まりました。かなりヘッドダウンするので、血行動態が気になっていました。